サブリース物件を所有していると、サブリース会社から、
「この設備の修繕が必要です」
「退去後にリフォームが必要です」
「建物の修繕をお願いします」
などと言われることがあります。
しかし、オーナーからすると、
「本当に必要な工事なの?」
「そんなに高い修繕費を払いたくない」
「自分で業者を探せばもっと安くできるのでは?」
と考えることもあるでしょう。
では、サブリース会社から求められた修繕費をオーナーが拒否したら、どうなるのでしょうか。
結論としては、修繕費を拒否したからといって、直ちにサブリース契約が解除されるとは限りません。
ただし、契約上オーナーに修繕義務がある場合や、建物の維持に必要な修繕を拒否した場合には、契約上の問題になる可能性があります。
そのため、「高いから払わない」と単純に判断するのではなく、まずその修繕が契約上必要なのか、誰が費用を負担することになっているのかを確認する必要があります。
まず確認したいのは「本当にオーナー負担なのか」
サブリース会社から修繕を求められたら、最初に確認したいのが、
その修繕費を誰が負担する契約なのか
です。
例えば、
「建物の修繕費はオーナーが負担する」
という契約なら、原則としてオーナー側の費用負担が問題になります。
一方で、
「一定範囲の修繕はサブリース会社が負担する」
という契約なら、その範囲までオーナーが支払う必要があるのか確認する必要があります。
つまり、
サブリース会社から請求された=必ずオーナーが払う
わけでも、
サブリースだから会社が払う
わけでもありません。
まず契約を確認しましょう。
「修繕したくない」と「修繕費を払いたくない」は別
ここも重要です。
オーナーが、
「修繕そのものが必要なのか疑問」
と思っている場合と、
「修繕は必要だと思うが、この金額は高すぎる」
と思っている場合では、対応が違います。
例えば外壁の劣化について、
修繕そのものを拒否する
のと、
修繕はするが、別の業者から相見積もりを取りたい
のでは意味がまったく違います。
後者なら、
「工事が必要なのは理解しています。ただ、金額を確認したいので他社の見積もりも取りたいです」
と交渉できる可能性があります。
高いからといって、すぐ拒否するのは避ける
例えばサブリース会社から、
「給湯器の交換で30万円かかります」
と言われたとします。
そこで、
「高いから払わない」
と即答するのはおすすめできません。
まず、
- どの設備が壊れているのか
- なぜ交換が必要なのか
- 修理では対応できないのか
- どの商品に交換するのか
- 工事費はいくらなのか
- 業者はどこなのか
- 相見積もりは可能なのか
を確認しましょう。
金額に納得できないことと、修繕そのものを拒否することは別問題です。
相見積もりを取れるか確認する
修繕費が高いと思ったら、
「他社の見積もりを取ってもいいですか?」
と確認してみましょう。
例えば、
指定業者
30万円
別業者A
23万円
別業者B
21万円
という結果なら、価格について交渉する材料になります。
もちろん、工事内容や使用する設備が同じとは限らないので、単純に一番安い業者を選べばいいわけではありません。
しかし、
比較することで適正価格かどうかを判断しやすくなります。
修繕を拒否するとサブリース会社はどうする?
ここは契約内容や修繕の内容によって変わります。
例えば、オーナーが負担すべき修繕なのに、
「一切修繕しません」
と拒否した場合。
サブリース会社から、
- 修繕を求められる
- 契約上の義務について説明される
- オーナーに対応を求める
- 必要に応じて契約上の手続きを取られる
などの対応が考えられます。
さらに、修繕をしないことで建物や設備に重大な問題が発生すれば、別のトラブルにつながる可能性があります。
修繕しないことで入居者に影響が出る場合
例えば、
- 給湯器が壊れている
- エアコンが使えない
- 水漏れしている
- トイレが使えない
- 雨漏りしている
といった状態を放置すれば、入居者の生活に直接影響します。
サブリース会社としても、
「オーナーが払わないから、そのまま放置します」
とは簡単にはできない場合があります。
そのため、修繕費を拒否すると、
オーナーとサブリース会社の問題だけではなく、入居者との問題に発展する可能性
があります。
「保証賃料を下げる」と言われたら?
修繕を拒否したところ、
「修繕していただけない場合は保証賃料を見直します」
と言われるケースも考えられます。
この場合は、
修繕費の問題と賃料改定の問題を分けて考える
必要があります。
まず、
「修繕しなかった場合に保証賃料を変更できるという契約条項はどこにありますか?」
と確認しましょう。
契約書にどのような定めがあるのかを確認したうえで判断することが重要です。
「修繕しない=契約解除」ではない
オーナーが修繕費を拒否したからといって、
必ず契約解除になるわけではありません。
ただし、
- 契約上の修繕義務がある
- 建物の維持に重大な問題がある
- 修繕義務を繰り返し拒否する
- 契約違反の状態が続く
などの場合には、契約関係に影響する可能性があります。
特に、
「拒否したらどうなるか」
は契約書の内容を確認することが重要です。
大規模修繕は特に慎重に
例えば、
「外壁の大規模修繕で500万円必要です」
と言われた場合。
これは簡単に、
「はい、払います」
とは言えない金額です。
だからといって、
「500万円なんて払わない」
と完全に拒否するのも危険です。
まず、
- 本当に工事が必要なのか
- どこまで工事するのか
- 見積もりの内訳
- 他社の見積もり
- 工事を延期できるのか
- 契約上の修繕義務があるのか
を確認しましょう。
高額な修繕ほど、拒否する前に内容を精査することが重要です。
「必要な修繕」と「会社が提案するリフォーム」は分ける
サブリース会社から、
「この部屋は古いので、入居者を付けるためにリフォームしましょう」
と提案された場合もあります。
これは、
建物を維持するために必要な修繕
とは少し性質が違います。
例えば、
「壊れているから交換する」
のと、
「もっと新しく見せるために交換する」
のでは意味が違います。
後者なら、
本当にその工事をオーナーが負担する義務があるのか
を契約書で確認したほうがいいでしょう。
修繕費を拒否する前に確認するチェックリスト
サブリース会社から修繕を求められたら、次の順番で確認してみましょう。
① 何の修繕なのか?
設備故障なのか、経年劣化なのか、大規模修繕なのか。
② 本当に必要なのか?
修理で済むのか、交換が必要なのか。
③ 誰が負担する契約なのか?
オーナーなのか、会社なのか。
④ 金額は妥当なのか?
見積書の内訳を確認する。
⑤ 相見積もりは可能なのか?
別業者と比較できるか。
⑥ オーナーの承諾が必要なのか?
会社が勝手に発注できる契約なのか。
⑦ 拒否した場合どうなるのか?
保証賃料や契約に影響する条項があるか。
この順番で確認すると、「高いから払わない」という感情的な判断を避けられます。
サブリース会社に確認するときの聞き方
修繕費に納得できない場合、いきなり、
「そんな修繕費は払いません」
と言うより、
「修繕が必要な理由と見積書の内訳を確認したいです」
と伝えるほうがいいでしょう。
さらに、
「他社から相見積もりを取ることは可能ですか?」
「契約上、私が負担することになっている条項を教えてください」
「今回の工事を延期した場合、契約上どのような扱いになりますか?」
と確認します。
記録を残す意味でも、重要なやり取りはメールなどで確認しておくとよいでしょう。
まとめ
サブリースの修繕費を拒否したからといって、直ちに契約解除になるとは限りません。
ただし、オーナーが負担することになっている修繕を一方的に拒否し続ければ、契約上の問題になる可能性があります。
だからこそ、
「高いから払わない」
とする前に、
- 何の修繕なのか
- 本当に必要なのか
- 誰が負担する契約なのか
- 見積金額は妥当なのか
- 相見積もりが取れるのか
- オーナーの承諾が必要なのか
- 拒否した場合に契約や保証賃料へ影響するのか
を確認しましょう。
特に大切なのは、
「修繕を拒否する」ことと「提示された修繕費に納得できない」ことを分けることです。
工事そのものが必要なら、
「修繕は必要だと思う。ただし、この金額でなければならない理由を確認したい」
という交渉もできます。
サブリースでは、修繕費を誰が負担するかだけでなく、誰が修繕内容と業者を決めるのかまで確認しておくことが重要です。