結論からいうと、一般的な家賃保証型のサブリースでは、入居者が家賃を滞納した場合でも、契約で定められた保証賃料がオーナーに支払われる仕組みが基本です。
ただし、ここで注意したいのが、「入居者の滞納家賃が保証される」ことと、「オーナーが契約上の保証賃料を受け取れる」ことは同じではないという点です。
サブリースでは、オーナーと入居者が直接賃貸借契約を結ぶのではなく、基本的にサブリース会社が物件を借り上げ、その会社が入居者に転貸します。
そのため、入居者から家賃が入らない場合でも、サブリース会社との契約で保証賃料が定められていれば、原則としてオーナーへの支払いは入居者の滞納とは切り離して考えます。
サブリースでは誰が誰に家賃を払う?
仕組みを簡単にすると、次のようになります。
オーナー → サブリース会社 → 入居者
- オーナー:サブリース会社に物件を貸す
- サブリース会社:オーナーに保証賃料を支払う
- サブリース会社:入居者に物件を転貸する
- 入居者:サブリース会社に家賃を支払う
例えば、
- 入居者家賃:10万円
- オーナーへの保証賃料:8万円
という契約だったとします。
入居者が毎月10万円をきちんと払っていれば、サブリース会社はその家賃を受け取ります。
ところが入居者が家賃を滞納したとしても、契約上、オーナーに8万円の保証賃料を支払う義務がサブリース会社にあるなら、入居者の滞納だけを理由にオーナーへの8万円の支払いがなくなるわけではありません。
ここが、一般的な管理委託との大きな違いです。
一般管理の場合はどうなる?
一般的な管理委託では、オーナーの家賃収入は入居者からの家賃に直接連動します。
例えば家賃10万円の部屋で入居者が滞納すると、
入居者が払わない → オーナーにも家賃が入らない
という形になります。
一方、家賃保証型のサブリースでは、
入居者が滞納 → サブリース会社が入居者から回収 → オーナーには契約上の保証賃料を支払う
という構造になります。
したがって、オーナーから見れば、入居者の滞納リスクをサブリース会社側に移せることになります。
ただし「何でも保証される」わけではない
ここは非常に重要です。
「サブリースなら滞納も保証される」と聞くと、
入居者が家賃を払わなくても、ずっと保証されるんでしょ?
と思ってしまうかもしれません。
しかし、実際にはサブリース契約の内容を確認する必要があります。
例えば、
- 保証賃料の支払条件
- 免責期間
- 賃料改定の条件
- 契約解除の条件
- サブリース会社の債務不履行時の扱い
- 滞納が長期化した場合の対応
- 原状回復費用
- 入居者募集費用
などです。
つまり、「入居者が滞納しても保証される」というメリットだけを見て契約を判断するのは危険です。
サブリース会社が倒産したら?
さらに忘れてはいけないのが、サブリース会社そのものの支払い能力です。
入居者が家賃を滞納していても、サブリース会社が契約どおり保証賃料を支払ってくれるのであれば、オーナーにとっては大きな問題になりません。
しかし、
入居者の滞納ではなく、サブリース会社自身が資金繰りに行き詰まったら?
話は変わります。
つまりサブリースによって、
入居者の滞納リスク → サブリース会社側へ
移すことはできますが、
サブリース会社の信用リスクまで消えるわけではありません。
ここを理解しておくことが重要です。
「滞納保証」と「家賃保証」は別物
この2つは混同しないようにしましょう。
家賃保証
→ 空室や入居者の滞納などがあっても、契約で定められた保証賃料をオーナーに支払う仕組み。
滞納保証
→ 入居者が家賃を滞納した場合に、その滞納分を保証する仕組み。
サブリースでは、オーナーとサブリース会社との間の契約によって保証賃料が決まっています。
したがって、
「入居者が滞納した家賃を誰が保証するのか?」
だけを見るのではなく、
「入居者が払わなくても、サブリース会社はオーナーにいくら支払う契約なのか?」
を見ることが重要です。
まとめ
サブリースの家賃保証型では、入居者が家賃を滞納しても、契約上の保証賃料が支払われる仕組みになっているケースが一般的です。
ただし、
「滞納しても安心」=「すべてのリスクがなくなる」
ではありません。
オーナーが本当に確認すべきなのは、
「入居者が家賃を払わない場合、サブリース会社は契約上いくら支払うのか?」
そして、
「その保証賃料は将来も同じなのか?」
というところです。
サブリースでは、入居者の滞納リスクをサブリース会社に移す代わりに、今度はサブリース会社の信用力や契約条件を確認する必要があるということです。