「サブリースをやめたいのに、サブリース会社が解約に応じてくれない」
こうした問題は、「物件の所有者なのだから、いつでも契約を終わらせられる」とは限らないところに難しさがあります。
結論からいうと、オーナーからサブリース契約を解約できるかどうかは、契約書の内容だけでなく、借地借家法の適用や契約の実態も関係します。
そのため、「○年契約だから○年経てば必ず解約できる」と単純には判断できません。
なぜサブリースを解約しにくいの?
サブリースでは、オーナーとサブリース会社との間に賃貸借契約があります。
つまり、
オーナー → サブリース会社
という賃貸借関係が成立しています。
サブリース会社は、その物件を借りて、さらに入居者へ転貸しています。
そのため、
オーナー → サブリース会社 → 入居者
という二重の賃貸借関係になります。
オーナーから見ると「自分の物件」ですが、契約上はサブリース会社が借主になっています。
ここが一般的な管理委託との大きな違いです。
「所有者だから解約できる」は危険
例えば、オーナーが、
「もうサブリースは必要ないから、来月から自主管理に戻します」
とサブリース会社に伝えたとします。
しかし、サブリース会社が、
「契約上、まだ解約できません」
と答える可能性があります。
この場合、単純に所有権を理由として契約を終了できるとは限りません。
特に、サブリース契約が建物の賃貸借契約として扱われる場合、借地借家法による借主保護の問題が出てきます。
契約書の「解約条項」を確認する
まず確認したいのが契約書です。
例えば、
- 契約期間
- 更新
- 中途解約
- 解約予告期間
- 違約金
- 契約解除事由
- 賃料改定
- 原状回復
- サブリース会社による解除
などの条項です。
特に重要なのが、
「オーナーから中途解約できるのか」
という部分です。
「30年契約」と書かれていても、契約書に中途解約について別の規定があれば、その内容を確認する必要があります。
逆に、「○年契約」とだけ書かれているからといって、必ずその期間中は絶対に解約できないとも限りません。
サブリース会社が「解約できません」と言ったら?
ここで焦って、
「じゃあ仕方ない」
と諦める必要もありません。
まず、
① 契約書を確認する
「解約できない」というサブリース会社の説明ではなく、実際の契約条項を確認します。
② 解約条件を確認する
例えば、
「○か月前までに通知すれば解約できる」
という条項があるのか。
あるいは、
「オーナーからの解約には違約金が必要」
となっているのか。
契約によって違います。
③ サブリース会社に書面で確認する
口頭だけで、
「解約できません」
と言われた場合には、
「契約書の何条を根拠に解約できないのか」
を確認するとよいでしょう。
違約金が設定されていることもある
サブリース契約によっては、オーナー側から途中解約する場合に違約金などが設定されていることがあります。
例えば、
「解約する場合は○か月分の賃料を支払う」
といった条件です。
この場合、
「違約金があるから絶対に解約できない」
という意味なのか、
「違約金を支払えば契約上解約できる」
という意味なのかは、条項の内容を確認する必要があります。
ここを混同してはいけません。
さらに難しいのが「借地借家法」
サブリースを解約するときに重要になるのが、借地借家法です。
サブリース契約が建物賃貸借契約として扱われる場合、借主であるサブリース会社が一定の保護を受けることがあります。
特にオーナー側から契約を終了させる場合には、単純な「契約期間が終わったから終了」という話では済まない場合があります。
そのため、契約書だけを見て、
「30年契約だけど、オーナーだから途中でやめられる」
と判断するのは危険です。
「サブリースを外して一般管理にしたい」は要注意
よくあるのが、このパターンです。
サブリースを契約した
↓
実際の家賃相場を調べた
↓
「一般管理のほうが手取りが多い」と気づいた
↓
サブリースをやめたい
しかし、サブリース会社が簡単に応じてくれるとは限りません。
なぜなら、サブリース会社と入居者との間にも契約関係があるからです。
そのため、
「サブリースをやめる=管理会社を変更する」
という一般管理の感覚で考えると、話が違ってきます。
解約できるかどうかは「契約前」に確認する
実は、サブリースの解約問題は、契約した後に考えるよりも契約する前に確認するほうが圧倒的に重要です。
契約前なら、
「オーナーから解約する場合の条件を教えてください」
と聞けます。
さらに、
「違約金はいくらですか?」
「何か月前に通知が必要ですか?」
「契約期間の途中でも解約できますか?」
「サブリース会社の同意が必要ですか?」
「入居者がいる場合でも解約できますか?」
などを確認できます。
そして、営業担当者の口頭説明だけではなく、契約書にどう書かれているかを確認することが重要です。
「解約できない」より怖いのは出口で気づくこと
サブリースの問題は、契約してすぐには見えにくいことがあります。
最初は、
「毎月安定して家賃が入る」
というメリットがあります。
ところが数年後、
「保証賃料が下がった」
「一般管理に変更したい」
「物件を売却したい」
となったときに、契約上の制約に気づくことがあります。
つまり、サブリースでは入口のメリットだけでなく、出口の自由度まで確認することが重要です。
まとめ
「サブリースを解約したいができない?」という疑問への答えは、
「解約できるかどうかは契約内容と法的関係によって決まるため、所有者だから自由に解約できるとは限らない」
です。
確認するポイントは、
- 契約期間
- 中途解約条項
- 解約予告期間
- 違約金
- 契約解除の条件
- サブリース会社の同意が必要か
- 入居者との契約関係
- 借地借家法の適用関係
です。
そして、すでに「解約したいのに会社が応じない」という状態なら、「解約できる・できない」を営業担当者の説明だけで判断せず、契約書の条項と法的関係を確認することが先です。
特に高額な違約金や訴訟などが絡む場合は、弁護士などの専門家に契約書を見てもらうのが安全です。