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サブリースの保証賃料が相場より高いのはなぜ?「高い=安心」とは限らない理由

サブリースの説明を受けていて、

「周辺の家賃相場より高い保証賃料を提示された」

ということはないでしょうか。

例えば、周辺では8万円程度で募集されている物件なのに、

「こちらは月9万円で借り上げます」

と説明されたら、どう感じるでしょうか。

普通に考えれば、

「相場より高く保証してくれるなら、かなり条件がいい」

と思うかもしれません。

しかし、ここで一度立ち止まって考えてみたいのが、

「なぜサブリース会社は、相場より高い賃料をオーナーに保証できるのでしょうか?」

という疑問です。

サブリース会社も事業として物件を借り上げています。

入居者から受け取る賃料より、オーナーに支払う借上賃料のほうが高ければ、その差額はどうなるのでしょうか。

もちろん、実際の契約や事業者によって事情は異なります。

だからこそ、単純に「高いからお得」と考えるのではなく、その保証賃料がどのような前提で設定されているのかを見る必要があります。


そもそも「相場より高い保証賃料」とは?

まず、比較する数字を整理する必要があります。

例えば、

  • 周辺の募集賃料:8万円
  • サブリースの借上賃料:9万円

だったとします。

これだけを見ると、

保証賃料のほうが1万円高い

ように見えます。

しかし、ここで確認したいのが、

「8万円」という相場は、何を意味しているのか

です。

現在募集されている家賃なのか。

実際に成約した家賃なのか。

新築物件の募集賃料なのか。

同じ間取り・同じ築年数の物件なのか。

駅距離は同じなのか。

比較する条件によって「相場」は変わります。

したがって、最初に、

本当に保証賃料が相場より高いのか

を確認する必要があります。


なぜ相場より高い保証賃料を提示できるのか?

ここにはいくつかの可能性があります。

1.比較している「相場」が違う

最も単純なのがこれです。

オーナーが見ている物件と、サブリース会社が基準にしている物件が違えば、当然数字も変わります。

例えば、

築15年・駅徒歩15分の物件と、

築浅・駅徒歩5分の物件を比較して、

「周辺相場は10万円です」

と言っても、その数字をそのまま自分の物件に当てはめることはできません。

そのため、

「周辺相場はいくらですか?」

だけではなく、

「どの物件を比較していますか?」

まで確認することが重要です。


2.将来の賃料を見込んでいる?

もう一つ考えられるのが、

現在の相場だけではなく、将来の賃貸需要などを含めて判断している

ケースです。

物件によっては、

  • 駅周辺の開発
  • 人口増加
  • 周辺施設の開業
  • 賃貸需要の増加

などによって、将来的に賃料が上昇する可能性もあります。

ただし、これはあくまで将来予測です。

「将来この地域の家賃が上がるから、現在の相場より高い保証賃料でも成立する」

という説明を受けた場合は、

その根拠は何なのか

を確認したいところです。


3.サブリース会社が最初は負担するという考え方

サブリース会社が一定期間、相場より高い借上賃料を設定するケースも考えられます。

例えば、

周辺相場:8万円
借上賃料:9万円

だったとしても、

「最初から永遠に9万円を保証する」

という意味ではなく、契約上の固定期間などを前提としている場合があります。

そのため、

「9万円で保証される」という事実だけを見るのではなく、「いつまで9万円なのか」

を見る必要があります。

固定期間終了後に賃料改定が予定されているのであれば、現在の9万円だけを見て長期収支を判断するのは危険です。


そして、もう一つ考えておきたいこと

ここからが、この問題を考えるうえで重要なところです。

もし、

実際に入居者へ貸せる賃料が8万円程度なのに、オーナーへの保証賃料が9万円

だったとします。

では、サブリース会社はどうやって事業を成立させるのでしょうか。

サブリース会社が、

8万円を入居者から受け取り、

9万円をオーナーに支払う。

これが長期間続けば、単純計算では毎月1万円の差額が発生します。

もちろん、実際のサブリース事業の収益構造はこれだけではありません。

管理料、付帯サービス、募集条件、物件ごとの収益性、契約条件など、さまざまな要素があります。

だからこそ、

「高い保証賃料なのに、なぜこの事業が成立するのか?」

という疑問を持つこと自体に意味があります。


「保証賃料が高い」の裏側にある可能性

ここで投資家が考えるべきなのは、

「高い保証賃料=サブリース会社が良心的」

と決めつけることではありません。

むしろ、

「この金額が成立する前提は何なのか?」

と考えてみることです。

例えば、

  • 新築時の賃料を前提にしている
  • 将来の賃料改定を前提にしている
  • 一定期間だけ高い賃料を設定している
  • 別の収益で補っている
  • 物件販売全体の収益構造の中で成立している

など、さまざまな可能性があります。

重要なのは、外から見ただけで一つに決めつけないことです。

契約条件と事業者の説明を確認する必要があります。


現場にいたからこそ感じた「保証賃料」の違和感

私は以前、サブリース会社で働いていました。

その経験から言うと、投資家が「保証賃料」という数字を見るときには、

その数字が高いか安いかだけではなく、「なぜ、その数字を最初に提示できるのか」

を見ることが重要だと思っています。

投資物件では、購入時点の収支計画が非常に重要になります。

保証賃料が高く設定されれば、

「ローン返済後も利益が残る」

という収支を作りやすくなります。

しかし、投資家が本当に見るべきなのは、

「購入時に成立している収支」ではなく、「その賃料が将来も維持される前提が成立しているのか」

です。

私が現場にいた頃にも、保証賃料そのものを見るだけでは分からない事情がありました。

中には、一般的に言われる「周辺相場の80%程度」というイメージからすると、かなり高い水準に設定されているケースもあります。

95%、場合によっては100%を超えるように見える数字が設定されることもあります。

ここで、

「そんなに高く保証してくれるなら安心だ」

と考えるのか、

「なぜ、そこまで高い保証賃料を設定する必要があるのだろう?」

と考えるのか。

この違いは大きいと思います。


なぜ購入時に高い保証賃料が必要になるのか?

投資家が物件を購入する際には、当然ながら収支計画が提示されます。

例えば、

物件価格

ローン返済

管理費・修繕費など

家賃収入

毎月の収支

という計算です。

ここで保証賃料が低ければ、

「毎月赤字になる」

という計算になってしまうことがあります。

そこで、購入時点の収支を成立させるために、

保証賃料が非常に重要な数字になる

ことがあります。

これは、すべての物件・すべての会社について同じことが言えるという意味ではありません。

しかし投資家としては、

「この物件は、本当に現在の賃貸市場だけでこの収支が成立しているのか?」

という視点を持っておいたほうがいいでしょう。


最初の保証賃料が高いと、後の減額がより大きく見える

ここは非常に重要です。

例えば、

周辺相場:8万円
保証賃料:9万円

だったとします。

その後、保証賃料が8万円になったとすると、

1万円の減額

です。

しかし、

「9万円→8万円」

だけを見ると、単なる1万円の減額に見えます。

ところが、実際には、

もともと市場の賃料と保証賃料に差があった

可能性があります。

その場合、

「なぜ9万円だったのか?」

まで遡って考えなければ、賃料減額の本当の意味が見えてきません。


「減額された」のではなく「最初から無理があった」可能性

ここは投資家にとって非常に重要な視点です。

家賃が9万円から8万円に下がったとき、

「サブリース会社が途中で家賃を下げた」

と考えるのが普通です。

しかし、もし購入時点ですでに、

実際の市場賃料とかけ離れた保証賃料が設定されていた

のであれば、問題は「後から減額されたこと」だけではありません。

むしろ、

「なぜ最初から、その金額で収支計画が作られていたのか?」

という疑問が出てきます。

つまり、

現在の減額だけを見るのではなく、購入時点まで遡って保証賃料の設定を見る

ということです。

これが、サブリースの賃料問題を考えるうえで重要な視点になります。


高い保証賃料を見たら確認したいこと

では、実際に高い保証賃料を提示された場合、何を確認すればいいのでしょうか。

① 周辺相場の根拠

「相場○万円」という数字だけではなく、

どの物件を比較したのか

を確認します。

② 実際の募集賃料

現在、同じような物件がいくらで募集されているのか確認します。

③ 成約賃料

募集価格と実際に契約される価格は同じとは限りません。

可能であれば成約状況も確認します。

④ 保証賃料の固定期間

「月9万円保証」が、

何年間続くのか

を確認します。

⑤ 固定期間終了後

その後、

  • 改定されるのか
  • 何年ごとに改定されるのか
  • どのような基準で決まるのか

を確認します。

⑥ 賃料が下がった場合の収支

保証賃料が、

9万円→8万円
8万円→7万円

となった場合でも、ローン返済を含めて投資が成立するか計算します。


「高い保証賃料」はメリットなのか?

高い保証賃料そのものが悪いわけではありません。

本当に市場価値が高く、その賃料で長期間入居者を確保できる物件なら、当然意味があります。

問題なのは、

「高い理由を確認せず、高いこと自体をメリットだと思ってしまうこと」

です。

高い保証賃料を見たら、

「ラッキー」

ではなく、

「なぜ、この金額を保証できるの?」

と考えてみる。

その答えが明確なら、その条件を前提に検討できます。

逆に、その根拠が曖昧なら、さらに確認する必要があります。


まとめ|「高い保証賃料」ほど、その理由を確認する

サブリースの保証賃料が周辺相場より高く見える場合、まず確認したいのは、

「本当に相場より高いのか?」

です。

そして、本当に高いのであれば、

「なぜ、その金額を保証できるのか?」

を考えます。

確認するポイントは、

  • 比較している周辺相場は適切か
  • 保証賃料はいくらなのか
  • その金額の根拠は何か
  • いつまで固定されるのか
  • 固定期間終了後はどうなるのか
  • 賃料改定の条件は何か
  • 保証賃料が下がっても収支が成立するのか

です。

そして、サブリースを考えるうえでは、

「家賃が後から減額された」

という出来事だけを見るのではなく、

「そもそも購入時に、その保証賃料がどのような根拠で設定されていたのか」

まで遡って考えることが重要です。

高い保証賃料は、それだけを見れば投資家にとって魅力的です。

しかし、投資家が本当に知りたいのは、

「高い家賃を保証してくれること」ではなく、
「なぜ、その高い家賃を保証できるのか」

ではないでしょうか。

その理由が分からなければ、その数字を使った収支計画も、本当に長期間成立するのか判断できません。

「高いから安心」ではなく、「高い理由は何なのか」。

サブリースの保証賃料を見るときには、この視点を持っておきたいところです。