サブリース契約では、修繕やリフォームを行う際に、
「弊社指定の業者をご利用ください」
と言われることがあります。
オーナーからすると、
「修繕費を払うのは自分なのに、なぜ業者まで指定されるの?」
と疑問に感じるでしょう。
特に、指定業者から出された見積もりが高い場合には、
「もっと安い業者があるのでは?」
と思うのも当然です。
では、なぜサブリース会社は指定業者を利用させるのでしょうか。
結論からいうと、管理のしやすさや工事品質の統一など、サブリース会社側にも指定業者を使う理由があります。
一方で、オーナーが修繕費を負担する契約なのに、業者まで自由に選べない場合は、契約内容を事前に確認しておくことが非常に重要です。
指定業者を使わせる一番の理由は「管理しやすいから」
サブリース会社が複数の物件を管理している場合、修繕業者をある程度絞っておいたほうが管理しやすくなります。
例えば、
- 修繕の依頼先が決まっている
- 工事内容を把握しやすい
- 請求処理が簡単
- 工事履歴を管理しやすい
- 入居者対応を一本化できる
などです。
サブリース会社からすると、毎回オーナーが自由に業者を選ぶ仕組みよりも、指定業者を利用する仕組みのほうが業務を進めやすいわけです。
工事品質を一定にするため
指定業者を使う理由として、
工事品質を一定に保つ
という目的もあります。
例えば、サブリース会社が管理する物件で、
A物件は業者A
B物件は業者B
C物件は業者C
とバラバラになれば、工事内容や対応方法を把握するのが難しくなります。
そこで、
「この工事はこの業者」
と決めておけば、サブリース会社側も管理しやすくなります。
もちろん、指定業者だから必ず工事品質が高いという意味ではありません。
入居者への対応を一本化できる
サブリース会社にとって、入居者との対応も重要です。
例えば入居者から、
「エアコンが壊れました」
と連絡が来たとします。
指定業者が決まっていれば、
入居者から連絡
↓
サブリース会社が業者へ連絡
↓
指定業者が訪問
↓
修理
という流れを作りやすくなります。
毎回違う業者を手配するより、対応を標準化できます。
修繕履歴を管理しやすい
指定業者を決めておくと、
- いつ修繕したか
- どこを修繕したか
- どの設備を交換したか
- どの部品を使ったか
などの情報を管理しやすくなります。
特に複数の物件を管理するサブリース会社にとっては、修繕履歴をまとめて管理できるメリットがあります。
業者との取引関係がある
現実的には、
サブリース会社と業者の間に継続的な取引関係がある
場合もあります。
サブリース会社が大量の修繕を依頼していれば、業者側もその会社から継続的に仕事を受けることになります。
そのため、
「この業者に頼む」
という仕組みができていることがあります。
これは、それだけで問題というわけではありません。
ただし、オーナーが修繕費を負担する場合には、
「その価格は妥当なのか?」
という別の問題が出てきます。
サブリース会社が利益を得ている場合もある
ここはオーナーとして注意したいところです。
修繕工事について、
オーナー → サブリース会社 → 修繕業者
という流れになっている場合があります。
この場合、サブリース会社が業者への発注を取りまとめ、その工事費に何らかの手数料や利益を上乗せしているケースも考えられます。
例えば、
修繕業者への発注額
50万円
オーナーへの請求額
60万円
なら、差額10万円があります。
ただし、実際にどのような費用構造になっているかは契約や会社によって異なります。
したがって、
「指定業者だから高い」と決めつけることはできません。
重要なのは、見積書の内容を確認することです。
「指定業者=悪徳」とは限らない
ここは冷静に考える必要があります。
指定業者制度そのものが悪いわけではありません。
例えば、
- 緊急対応が早い
- 建物の構造を把握している
- 過去の修繕履歴を把握している
- 品質管理がしやすい
- 保証やアフターサービスが明確
というメリットもあります。
問題なのは、
オーナーが費用を負担するにもかかわらず、価格や業者選定について十分な確認ができない状態
です。
「指定業者しか使えません」と言われたら?
ここで確認したいのが、
本当に契約上の義務なのか
という点です。
サブリース会社から、
「指定業者しか使えません」
と言われたら、
「契約書のどの条項に記載されていますか?」
と確認してみましょう。
契約書に明確な定めがあるのか、単なる会社の運用なのかによって話が変わります。
契約書の「修繕」の項目を確認する
サブリース契約では、
- 修繕
- 維持管理
- 費用負担
- 設備
- 原状回復
- 大規模修繕
- 特約
などの項目を確認します。
特に重要なのは、
「修繕費を誰が払うか」
と、
「修繕業者を誰が選ぶか」
の2点です。
例えば、
修繕費 → オーナー負担
業者 → サブリース会社指定
という契約なら、オーナーは契約前にその条件を理解しておく必要があります。
「相見積もりだけでも取れませんか?」と聞いてみる
指定業者制度があっても、
「工事業者を変更したい」
ではなく、
「価格を確認するために相見積もりを取りたい」
と相談する方法があります。
例えば、
「指定業者を利用することは理解しています。ただ、今回の工事費が高額なので、価格の妥当性を確認するために他社の見積もりを取ることはできますか?」
という聞き方です。
契約上認められているかどうかを確認したうえで交渉しましょう。
大規模修繕では特に注意
指定業者制度で特に注意したいのが、
大規模修繕
です。
外壁塗装や屋上防水などでは、工事費が数百万円になることもあります。
例えば、
「大規模修繕500万円です」
と言われたとき、
「指定業者なので500万円払います」
とすぐに決めるのではなく、
- 工事内容
- 工事範囲
- 使用材料
- 見積もりの内訳
- 工期
- 保証内容
- 相見積もりの可否
を確認することが重要です。
金額が大きいほど、比較できる仕組みがあるかどうかは重要になります。
指定業者制度は契約前に確認する
サブリース契約を結ぶ前なら、営業担当者に次の質問をしてみましょう。
「修繕業者はオーナーが自由に選べますか?」
「指定業者制度はありますか?」
「指定業者以外を利用することはできますか?」
「相見積もりは取れますか?」
「大規模修繕でも指定業者になりますか?」
「指定業者の工事費に手数料などは含まれますか?」
このあたりまで確認しておくと、契約後のトラブルを減らせます。
まとめ
サブリース契約で指定業者を利用する理由には、
- 管理を効率化できる
- 工事品質を一定にしやすい
- 入居者対応を一本化できる
- 修繕履歴を管理しやすい
- 継続的な業者との取引がある
などがあります。
そのため、
指定業者制度がある=悪い契約
というわけではありません。
ただし、オーナーが修繕費を負担する契約なら話は別です。
「自分が修繕費を払うのに、業者も自由に選べない」
という条件であれば、契約前にしっかり確認しておく必要があります。
特に大規模修繕では、数百万円単位の費用になることもあります。
そのため、
「指定業者を使わなければならないのか」
「相見積もりは取れるのか」
「業者を変更できるのか」
を契約書で確認しておきましょう。
サブリースでは、毎月の保証賃料だけを見るのではなく、修繕費を誰が負担し、誰が工事業者を選ぶのかまで確認することが重要です。