「サブリースをやめたい」と伝えたのに、会社が解約に応じてくれない。
この場合、オーナーはどうなるのでしょうか。
結論からいうと、サブリース会社が解約に応じないからといって、オーナーが何もできないとは限りません。
一方で、契約上の解約条件や借地借家法の適用関係によっては、オーナーが一方的に「今日で契約終了」とすることが難しい場合もあります。
そのため、まずはなぜ解約できないのかを確認する必要があります。
サブリース会社が解約に応じないのはなぜ?
サブリース会社から、
「契約期間が残っているので解約できません」
「オーナーからの解約は認めていません」
「解約するなら違約金が必要です」
などと言われることがあります。
これは、サブリース会社との契約が単なる「管理委託契約」ではないことが関係しています。
サブリースでは一般的に、
オーナー → サブリース会社 → 入居者
という契約関係になっています。
オーナーはサブリース会社に建物を貸し、サブリース会社が入居者に転貸します。
そのため、管理会社を変更するような感覚で、
「来月から別の会社にします」
と簡単に終わらせられるとは限りません。
解約に応じないと、そのまま契約が続くことがある
オーナーが「解約したい」と伝えただけで、契約が自動的に終了するわけではありません。
例えば契約書に、
「契約期間10年」
と書かれていて、さらにオーナーからの中途解約について特別な条件が定められている場合があります。
その条件を満たしていない状態で一方的に、
「今日でサブリースを終了します」
と通知しても、サブリース会社が認めない可能性があります。
つまり、
解約を申し入れること
と
実際に契約が終了すること
は別の問題です。
では、オーナーが家賃を払わなくなったら?
ここは特に注意したいところです。
サブリース会社が解約に応じないからといって、
「じゃあ保証賃料を払わなければ契約終了になるだろう」
と考えるのは危険です。
契約が有効に存続していると判断される状態で、オーナー側が契約上の義務を履行しなくなれば、別のトラブルになる可能性があります。
解約問題と賃料の支払い・受領などの契約上の義務は、別問題として考える必要があります。
自己判断で家賃の支払いを止めるなどの対応は避け、契約書を確認したうえで専門家に相談したほうが安全です。
サブリース会社と話し合いがつかなければ?
解約について話し合っても、
「契約なので解約できません」
の一点張り。
このような場合には、契約書を持って弁護士などに相談する方法があります。
確認してもらうのは、
- 契約の種類
- 契約期間
- 中途解約条項
- 解約予告期間
- 違約金条項
- 更新条項
- 借地借家法の適用関係
- 入居者との転貸借契約
などです。
ここで重要なのは、「サブリース会社が拒否した」という事実だけでは、オーナー側が絶対に解約できないとは判断できないということです。
逆に、オーナー側が「自分の物件だから自由に解約できる」と決めつけるのも危険です。
最終的に裁判になることもある
どうしても話し合いがまとまらなければ、法律上の争いになる可能性があります。
特に、
「オーナーは解約できるのか」
という点について双方の主張が食い違えば、調停や訴訟などの手続きが問題になることがあります。
ただし、すべての解約トラブルが裁判になるわけではありません。
契約内容によっては、解約予告や違約金などの条件を満たすことで終了できる場合もあります。
だからこそ、
「解約できる・できない」の二択で考える前に、契約書の解約条件を確認すること
が重要です。
解約できないまま売却することはできる?
ここもサブリースオーナーにとって重要な問題です。
「解約できないなら、物件を売ればいい」
と考える人もいるでしょう。
しかし、サブリース契約が存在する物件を売却する場合には、売却後の契約関係をどうするのかという問題があります。
買主が、
「サブリース契約をそのまま引き継ぎたい」
と考えるのか、
「サブリースを外して購入したい」
と考えるのかでも話が変わります。
したがって、解約できない状態で売却を検討する場合も、サブリース契約の内容を買主や仲介会社に正確に伝える必要があります。
「解約できない」と言われたときにやってはいけないこと
特に避けたいのが、感情的になって契約を無視することです。
例えば、
- 勝手に家賃の支払いを止める
- 入居者に直接退去を求める
- サブリース会社を無視する
- 契約書を確認せずに鍵や管理権限を取り戻す
- 違約金を確認せずに一方的に契約終了を宣言する
といった対応です。
「解約できないことに腹が立つ」という気持ちは理解できますが、契約上の問題をさらに増やしてしまう可能性があります。
本当に重要なのは「解約拒否の理由」
サブリース会社が解約に応じない場合、
「解約できません」
という言葉だけで終わらせないことが重要です。
例えば、
「契約書の何条を根拠にしていますか?」
「中途解約ができないという意味ですか?」
「違約金を支払えば解約できますか?」
「解約するためには何を満たせばいいですか?」
と確認します。
これによって、
①本当に中途解約できないのか
②条件を満たせば解約できるのか
③違約金を支払えば解約できるのか
④法律上の問題があるのか
を切り分けられます。
サブリースでは「解約できるか」を契約前に確認する
サブリースを契約するとき、多くの人は、
「毎月いくら保証されますか?」
と聞きます。
もちろん重要です。
しかし、それと同じくらい重要なのが、
「オーナーから解約したい場合、どうすればいいですか?」
という質問です。
さらに、
- 何年前から解約を申し入れられるのか
- 何か月前に通知するのか
- 違約金はいくらなのか
- サブリース会社の同意が必要なのか
- 入居者がいる場合はどうなるのか
- 契約期間終了後はどうなるのか
まで確認しておくと安心です。
まとめ
サブリース会社が解約に応じない場合、「拒否された=永久に解約できない」ということではありません。
一方で、オーナーが一方的に契約を無視して終了できるとも限りません。
まずは、
契約書を確認する
↓
解約条項を確認する
↓
会社が拒否する根拠を確認する
↓
違約金や解約条件を確認する
↓
必要なら弁護士などに契約書を見てもらう
という順番で対応するのが基本です。
サブリースでは「家賃がいくら保証されるか」だけでなく、「やめたいときにどうやめるのか」まで確認しておくことが重要です。