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サブリースの家賃減額に上限はある?「10%まで」などの決まりはない

サブリース会社から、

「周辺の家賃相場が下がったので、保証賃料を減額します」

と言われたとき、

「家賃は何%までなら減額できるの?」

と疑問に思うオーナーもいるでしょう。

例えば、現在の保証賃料が月10万円なら、

「10%減額の9万円なら仕方ない」
「20%までなら認められる」
「30%も下げるのは違法では?」

といった疑問が出てきます。

結論からいうと、サブリースの家賃減額について「最大10%」「最大20%」といった一律の法律上の上限はありません。

ただし、だからといってサブリース会社が好きな金額まで自由に下げられるという意味でもありません。

重要なのは、その減額後の賃料が、客観的な事情から見て「相当な賃料」といえるのかという点です。

サブリースの家賃減額に「○%まで」という法律上の上限はない

借地借家法32条は、建物の賃料が、

  • 土地・建物に対する租税などの負担の増減
  • 土地・建物の価格の上昇・低下などの経済事情の変動
  • 近隣の同種建物の賃料との比較

などによって不相当になった場合、当事者が将来に向かって賃料の増減を請求できると定めています。

しかし、法律には、

「賃料は最大10%までしか減額できない」

「一度の減額は20%以内」

といった具体的な上限率は定められていません。

そのため、

「10%なら合法、20%なら違法」

という単純な判断はできません。

では30%減額も自由にできる?

ここで注意したいのが、

「上限がない」=「サブリース会社が自由に決められる」

ではないということです。

例えば、保証賃料が月10万円だったとします。

サブリース会社から、

「来月から7万円にします」

と30%の減額を提示されたとします。

このとき重要なのは、

「30%だから違法か?」

ではありません。

むしろ、

「なぜ7万円が相当な賃料なのか?」

という根拠が問題になります。

周辺の同種物件が本当に7万円程度まで下落しているのか。

物件の築年数や立地、設備などを考慮しても7万円が妥当なのか。

契約当初の賃料設定はどのような事情で決められたのか。

こうした事情を総合的に検討することになります。

減額率ではなく「減額後の賃料」が重要

サブリースの減額を考えるとき、

「何%下がったか」

だけを見てしまうと、本質を見失います。

例えば、

ケースA

保証賃料10万円
減額後9万円

→ 10%減額

ケースB

保証賃料10万円
減額後8万円

→ 20%減額

ケースC

保証賃料10万円
減額後7万円

→ 30%減額

この3つについて、

「10%なら適正」
「20%なら危険」
「30%なら違法」

と機械的に判断することはできません。

重要なのは、減額後の賃料が、その物件の状況や周辺相場などから見て相当なのかです。

サブリース会社の「赤字」は減額理由になる?

ここも非常に重要です。

例えばサブリース会社から、

「この物件では入居者が減って赤字になっているので、保証賃料を下げたい」

と言われたとします。

しかし、サブリース会社の経営状況が悪化したというだけで、当然に借地借家法32条による減額が認められるわけではありません。

国土交通省の資料でも、空室の増加やサブリース会社の経営状況の悪化だけでは、同条の要件を満たさない限り減額請求できないとされています。

つまり、

「会社が儲からないから10%下げたい」

という話と、

「現在の賃料が客観的に見て不相当になった」

という話は分けて考える必要があります。

「相場が下がった」なら何%下がる?

ここもよくある疑問です。

例えば、

現在の保証賃料:10万円
周辺の同種物件:8万5,000円

だったとします。

この場合、

「相場が15%下がっているから、保証賃料も15%下げればいい」

と単純に決まるわけではありません。

サブリース契約では、契約当初の賃料設定や物件の個別事情なども考慮されます。

国土交通省のサブリース関連資料でも、減額請求に際しては、変更しようとする家賃の額だけでなく、その設定根拠などについてオーナーへの説明が必要とされています。

そのため、

「周辺相場が15%下がった=保証賃料も必ず15%減額」

とは限りません。

契約書に「減額上限10%」と書いてあったら?

逆に、契約書に、

「賃料改定時の減額は最大10%まで」

などの特約が書かれていた場合はどうでしょうか。

ここは契約内容と借地借家法との関係を確認する必要があります。

単純に「契約書に10%と書いてあるから必ず10%以内」とも、「法律があるから契約書は全部無視される」とも言い切れません。

サブリース契約は具体的な契約内容によって扱いが変わるため、実際の契約書を確認する必要があります。

特に、

  • 賃料改定条項
  • 固定期間
  • 改定時期
  • 減額方法
  • 特約
  • 契約更新

などを確認することが重要です。

減額に合意できなければどうなる?

サブリース会社から減額を提示されても、オーナーが納得できない場合があります。

この場合、

「会社が提示した金額が自動的に新しい賃料になる」

というわけではありません。

借地借家法32条では、減額について当事者間の協議が調わない場合、裁判によって判断される仕組みが定められています。

したがって、

「8万円に下げます」

と言われたからといって、

「はい、8万円ですね」

と必ず受け入れなければならないわけではありません。

一方で、

「契約書に10万円と書いてあるから、絶対に10万円から下がらない」

とも限りません。

この中間にあるのが、借地借家法32条の賃料増減請求の仕組みです。

サブリース会社から減額を提示されたら確認したいこと

減額率だけを見るのではなく、次の項目を確認しましょう。

① 現在の周辺相場

どの物件を比較対象にしているのか。

② 減額後の賃料

なぜその金額になるのか。

③ 減額の根拠

相場、経済事情、物件条件など、何を根拠としているのか。

④ 契約当初の賃料設定

当初の保証賃料はどのような根拠で決められたのか。

⑤ 契約書の賃料改定条項

何年ごとに、どのような方法で改定する契約なのか。

⑥ サブリース会社の説明資料

国土交通省は、借地借家法32条に基づく減額請求を行う場合、減額しようとする家賃額やその設定根拠などについて説明する必要があるとしています。

「20%減額されたから違法」とは限らない

例えば、

10万円 → 8万円

になったとします。

20%の減額なので、

「20%も下げるなんて違法では?」

と思うかもしれません。

しかし、減額率だけでは判断できません。

反対に、

10万円 → 9万5,000円

という5%の減額なら必ず適正とも限りません。

重要なのは、

その減額後の賃料が、具体的な事情を踏まえて相当なのか

ということです。

ここがサブリースの家賃減額を理解するうえで最も重要なポイントです。

まとめ

サブリースの家賃減額については、

「10%まで」「20%まで」といった一律の法律上の上限はありません。

しかし、サブリース会社が好きな金額まで自由に減額できるわけでもありません。

借地借家法32条では、賃料が不相当になった場合の増減請求が認められており、減額の妥当性は、

  • 周辺の賃料相場
  • 経済事情
  • 土地・建物の価格
  • 税などの負担
  • 契約当初の賃料設定
  • 物件の個別事情

などを踏まえて判断することになります。

したがって、サブリース会社から「15%下げます」「20%下げます」と言われたときに、減額率だけを見て判断するのは適切ではありません。

見るべきなのは、

「なぜ、その金額が適正なのか?」

です。

サブリースの家賃保証を検討するときは、契約時の保証賃料だけでなく、将来どこまで賃料が下がっても投資を継続できるのかまでシミュレーションしておくことが重要です。