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サブリースの家賃は契約書に書いてあれば減額されない?「家賃固定」の注意点

サブリース契約では、契約書にオーナーが受け取る「保証賃料」が記載されています。

さらに、

「家賃固定」
「○年間賃料固定」
「30年間一括借上げ」

などと書かれていることもあります。

そこで、

「契約書に家賃が10万円と書いてあるなら、サブリース会社は勝手に減額できないのでは?」

と考えるオーナーもいるでしょう。

結論からいうと、契約書に賃料が記載されていることだけを理由に、将来の減額が絶対にないとはいえません。

サブリースの家賃固定を考えるときには、契約書の文言だけでなく、借地借家法のルールも確認する必要があります。

契約書に「10万円」と書いてあれば10万円では?

通常、契約書にはオーナーが受け取る賃料が記載されています。

例えば、

月額保証賃料:100,000円

と書かれていれば、契約当初は基本的にその金額を前提として契約が成立します。

しかし問題になるのが、

「その金額が契約期間中ずっと絶対に変わらないのか」

という点です。

ここは、

「契約書に金額が書いてある」

ことと、

「法律上、将来にわたって絶対にその金額が維持される」

ことを分けて考える必要があります。

「家賃固定」と「永遠に減額されない」は同じではない

サブリース契約には、

「賃料は○年間固定する」

という条件が設定される場合があります。

例えば、

「契約開始から5年間、月額10万円」

と書かれているケースです。

この場合、少なくとも契約書上の「固定期間」が重要になります。

一方、

「30年間一括借上げ」

と書かれていたとしても、

「30年間、毎月10万円の賃料を一切変更しない」

という意味になるとは限りません。

契約期間と賃料固定期間は別々に確認する必要があります。

なぜ契約書に書いてあっても減額の問題が出るの?

大きな理由の一つが、借地借家法32条です。

借地借家法32条は、一定の事情によって建物の賃料が不相当となった場合に、当事者が将来に向かって賃料の増減を請求できる仕組みを定めています。

例えば、

  • 土地・建物に対する租税などの負担が変化した
  • 土地・建物の価格などの経済事情が変化した
  • 周辺の同種物件の賃料と比較して不相当になった

といった事情が法律上挙げられています。

そして、このルールはサブリース契約についても問題になります。

そのため、

「契約書に10万円と書いてあるから、どんな状況になっても10万円」

と単純に考えることはできません。

では「家賃固定」と書く意味はないの?

もちろん、そういう意味ではありません。

「家賃固定」という契約条件には、契約当事者間で一定期間の賃料を固定するという意味があります。

重要なのは、

どの期間、どの条件で固定されるのか

です。

例えば、

「契約開始から2年間固定」

なのか、

「契約更新まで固定」

なのか、

「一定期間は賃料改定を行わない」

なのかによって意味が変わります。

したがって、「家賃固定」という言葉だけを見るのではなく、契約書の具体的な条項を見る必要があります。

「30年保証」と書いてあったら30年間同じ家賃?

ここも特に注意したいところです。

「30年一括借上げ」という説明を、

「30年間、契約時に提示された家賃が保証される」

と理解してしまうケースがあります。

しかし、

契約期間が30年であること

賃料が30年間固定されること

は別問題です。

例えば、

  • 契約期間:30年間
  • 賃料見直し:2年ごと
  • 当初保証賃料:10万円

という契約なら、

「30年間の契約期間がある」一方で、途中で賃料を見直す仕組みが存在することになります。

そのため、契約期間の長さだけを見て判断するのは危険です。

契約書で特に見るべき場所

サブリース契約を結ぶときは、「保証賃料」という金額だけでなく、次の項目を確認しましょう。

① 賃料改定

何年ごとに賃料を見直すのか。

② 賃料固定期間

「固定」とされている期間は何年なのか。

③ 賃料改定の方法

どのような基準で新しい賃料を決めるのか。

④ 賃料減額に関する条項

減額が行われる条件や手続きが記載されているか。

⑤ 契約更新

更新時に賃料がどう扱われるのか。

⑥ 中途解約

賃料減額をめぐって合意できなかった場合、契約上どのような扱いになるのか。

「保証賃料10万円」という数字だけを見るのではなく、その10万円がどのような条件で維持されるのかを見ることが重要です。

「固定期間中なら絶対に減額されない」とも言い切れない

ここも注意が必要です。

契約書に「○年間賃料固定」と記載されている場合でも、借地借家法32条との関係を無視して、

「固定期間中は法律上絶対に減額できない」

と断定することはできません。

サブリースの賃料については、契約内容だけでなく、借地借家法の適用や具体的な事情を踏まえて判断する必要があります。

したがって、契約書に「固定」と書かれているから安心、あるいは反対に「固定」と書いてあっても必ず下げられる、と決めつけるのも適切ではありません。

減額を提示されたら契約書を確認する

実際にサブリース会社から、

「保証賃料を10万円から9万円に変更したい」

と言われた場合は、まず契約書を確認しましょう。

見るポイントは、

「賃料改定について、契約書には何と書いてあるか」

です。

さらに、

  • なぜ減額するのか
  • どのような資料が根拠なのか
  • 周辺相場はいくらなのか
  • 新しい賃料をどう算定したのか
  • 減額を受け入れない場合はどうなるのか

なども確認します。

「契約書に10万円と書いてあるから絶対拒否」

とするのではなく、契約内容と法的なルールを整理して対応することが大切です。

「保証」という言葉だけで判断しない

サブリースの広告では、

「家賃保証」
「長期保証」
「30年一括借上げ」

といった言葉が使われます。

しかし、投資家が見るべきなのは広告のキャッチコピーではありません。

重要なのは、

「実際にいくら支払われるのか」

だけでなく、

「その金額が、どのような条件で、いつまで維持されるのか」

です。

例えば、

保証賃料:100,000円
契約期間:30年間
賃料見直し:2年ごと

という条件なら、「30年間10万円保証」とだけ理解するのではなく、2年ごとの賃料改定がどのように行われるのかまで確認する必要があります。

契約前なら「固定」の意味を質問する

これからサブリース契約を結ぶのであれば、営業担当者に次のような質問をしてみるとよいでしょう。

「この10万円という保証賃料は、何年間固定ですか?」

そして、

「固定期間中に減額請求される可能性はありますか?」

「固定期間終了後は、どのような基準で賃料が決まりますか?」

「過去に同じような物件で、どの程度賃料が改定されていますか?」

と確認します。

口頭の説明だけでなく、重要な条件については契約書などの書面で確認することが重要です。

まとめ

サブリースの家賃について、

「契約書に金額が書いてあるから、絶対に減額されない」

とは限りません。

特に、

  • 契約期間
  • 賃料固定期間
  • 賃料改定時期
  • 賃料改定の基準
  • 減額に関する条項

は分けて確認する必要があります。

そして、サブリースでは借地借家法32条による賃料増減請求の問題もあるため、単純に契約書の「保証賃料」という数字だけで将来の収入を判断するのは危険です。

サブリースを検討するときは、

「いくら保証されるか」ではなく、「その金額がどの条件で維持されるのか」

を見ることが、非常に重要です。