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サブリースの家賃減額交渉で確認すべきこと|応じる前に見るべき7つのポイント

サブリース会社から「家賃を減額したい」と言われたら、すぐに承諾してはいけません。

サブリース契約では、契約期間中であっても賃料の減額を請求される可能性があります。国土交通省も、いわゆる「家賃保証」と書かれた契約であっても、借地借家法第32条により賃料が減額される可能性があると注意喚起しています。

一方で、減額を提示されたからといって、オーナーが必ずその金額を受け入れなければならないわけではありません。

では、減額交渉を受けたとき、何を確認すればよいのでしょうか。

まず確認したい7つのポイント

1.なぜ家賃を下げるのか

最初に確認したいのが、減額の理由です。

「周辺相場が下がった」
「空室が増えた」
「築年数が経過した」
「入居者募集が難しくなった」

など、具体的な理由を確認しましょう。

特に重要なのは、「相場が下がった」という説明だけで終わらせないことです。

どの地域の、どのような物件と比較しているのかを確認する必要があります。

国土交通省の資料でも、借地借家法第32条による減額請求について、土地・建物に関する負担の変動、経済事情の変動、近隣同種の建物の賃料などを考慮するとされています。

2.現在の保証賃料はいくらで、いくらに下げるのか

次に確認するのは、減額前と減額後の金額です。

例えば、

  • 現在の保証賃料:10万円
  • 提示された新しい賃料:9万円
  • 減額額:1万円
  • 減額率:10%

というように、数字で比較します。

「少し下げたい」という説明だけではなく、具体的な金額と減額率を確認することが重要です。

年間で考えると、

10万円 × 12か月 = 120万円

だった収入が、

9万円 × 12か月 = 108万円

となり、年間12万円の減収になります。

さらに5年間続けば、単純計算で60万円の差になります。

3.減額の根拠となる資料を見せてもらう

「周辺の家賃相場が下がった」というのであれば、その根拠を確認しましょう。

例えば、

  • 周辺物件の募集賃料
  • 類似物件の賃料
  • 同じ築年数の物件
  • 同程度の広さ・設備の物件
  • 空室率
  • 過去の入居状況

などです。

ここで注意したいのは、募集賃料と実際の成約賃料は必ずしも同じではないということです。

「この物件は10万円で募集されています」というだけでは、その地域で実際に10万円で借り手がついているとは限りません。

したがって、できるだけ複数の比較材料を確認しましょう。

4.契約書の賃料改定条項を確認する

次に、サブリース契約書を確認します。

特に見るのは、

「賃料改定」
「賃料の見直し」
「賃料減額」
「契約更新」
「協議」

などに関する条項です。

「2年ごとに見直す」と書かれている場合もあれば、一定期間ごとに双方協議すると定めている場合もあります。

ただし、契約書に「○年間賃料固定」と書かれているからといって、借地借家法上の賃料減額請求の問題が当然になくなるわけではありません。

国土交通省も、賃料保証特約があっても一定の要件のもとで賃料減額請求が問題となり得ると説明しています。

5.減額後の賃料でもローン返済が可能か

減額交渉では、法律だけでなく自分の収支も確認する必要があります。

例えば、

現在の保証賃料が10万円で、

  • ローン返済:7万円
  • 管理・その他費用:1万円

なら、毎月2万円が残ります。

しかし保証賃料が8万5,000円まで下がると、

8万5,000円 − 7万円 − 1万円

5,000円

しか残りません。

さらに修繕費や固定資産税などを考慮すると、実際には赤字になる可能性もあります。

そのため、減額交渉を受けたら、

「その賃料になった場合でも事業を継続できるか」

を再計算しましょう。

6.今回だけの減額なのか、今後も見直されるのか

ここも非常に重要です。

例えば、

「今回は1万円下げます」

と言われたとしても、それだけでは終わらない可能性があります。

次に確認したいのは、

「次回の賃料見直しはいつですか?」

ということです。

さらに、

「今後も相場が下がれば、再度減額される可能性がありますか?」

と確認しておきましょう。

一度の減額だけを見るのではなく、5年、10年先まで考えて収支を確認することが重要です。

7.減額を承諾しなかった場合にどうなるのか

最後に確認したいのが、

「この減額を承諾しなかった場合、契約はどうなりますか?」

という点です。

サブリース業者から減額請求を受けた場合でも、オーナーが必ずその請求を受け入れなければならないわけではありません。国土交通省のQ&Aでも、協議がまとまらない場合には、ADRなどの専門家への相談が案内されています。

ただし、実際の契約関係では、契約書の条項や個別事情によって対応が変わります。

「拒否したら即契約解除」
「絶対に拒否できない」

といった単純な話ではありません。

契約書を確認したうえで、必要に応じて専門家に相談することが重要です。

減額交渉でサブリース会社に確認したい質問

実際に減額を提示された場合は、次の質問をまとめて確認するとよいでしょう。

  1. 今回の減額理由は何ですか?
  2. 現在の保証賃料はいくらですか?
  3. 新しい保証賃料はいくらですか?
  4. 減額率は何%ですか?
  5. 周辺のどの物件を比較していますか?
  6. 賃料相場を示す資料はありますか?
  7. 今回の減額はいつから適用されますか?
  8. 次回の見直しはいつですか?
  9. 今後も再度減額される可能性がありますか?
  10. 減額に合意しなかった場合、契約上どうなりますか?

できれば、口頭だけで済ませず、書面で回答してもらうことをおすすめします。

「一番高い保証賃料」を基準に考えない

減額交渉で重要なのは、単純に「いくら下げられるか」だけではありません。

そもそも契約当初の保証賃料が、周辺相場と比較して適正だったのかを考える必要があります。

例えば、

周辺相場:9万円
契約時の保証賃料:10万円
今回提示された保証賃料:8万8,000円

というケースなら、

「1万2,000円も下げられた」

と考えるだけではなく、

「そもそも最初の10万円という設定にどれだけ根拠があったのか?」

まで遡って確認する必要があります。

サブリースでは、契約時の賃料だけを見るのではなく、その賃料がどのような根拠で設定されたのかを見ることが重要です。

まとめ

サブリース会社から家賃減額を提示されたら、すぐに承諾するのではなく、次の7点を確認しましょう。

  • 減額理由
  • 減額前後の賃料
  • 減額の根拠となる相場資料
  • 契約書の賃料改定条項
  • 減額後の収支
  • 今後の再減額の可能性
  • 減額を拒否した場合の契約上の扱い

国土交通省も、サブリースでは契約期間中や更新時などに賃料が減額される可能性があることを注意喚起しています。

だからこそ、「家賃を下げると言われた。どうしよう」と慌てるのではなく、

「なぜ下げるのか」→「いくら下げるのか」→「その根拠は何か」→「契約上どうなっているのか」→「拒否するとどうなるのか」

という順番で確認することが大切です。

なお、実際に減額を拒否するか、契約解除・訴訟などの対応を取るかは、契約書や個別事情によって結論が変わります。重要な案件では、弁護士などの専門家に契約書を確認してもらうのが安全です。