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サブリースの家賃見直しでは何を基準に賃料が決まる?

「サブリースの家賃は2年ごとに見直されることがある」と知っても、次に気になるのは、

「では、見直し後の家賃はいくらになるの?」

ということではないでしょうか。

サブリース会社から「周辺相場が下がったので、保証賃料を見直したい」と言われても、

「周辺相場って具体的に何?」
「なぜこの金額まで下げる必要があるの?」
「最初に提示された家賃は何だったの?」

と疑問に感じるはずです。

実は、サブリースの保証賃料は、単純に「周辺の家賃相場だけ」で決まるわけではありません。

物件の立地や築年数、入居状況、競合物件、実際に入居者へ貸し出せる賃料など、複数の要素が関係します。

そしてオーナーにとって重要なのは、**「現在の保証賃料がいくらか」だけではなく、「その金額がどのような根拠で設定されているのか」**を理解することです。

サブリースの賃料見直しで考慮される主な要素

賃料の改定については契約内容によって異なりますが、一般的には次のような要素が問題になります。

1.周辺の賃貸相場

まず確認したいのが、周辺の賃料相場です。

同じエリアでも、

  • 駅からの距離
  • 築年数
  • 間取り
  • 広さ
  • 設備
  • 建物のグレード

などによって家賃は変わります。

そのため「近所の家賃が下がった」というだけでは、自分の物件の適正賃料を判断できません。

比較するなら、できるだけ条件の近い物件を見る必要があります。

2.実際の入居者募集賃料

サブリース会社は、オーナーから借り上げた物件を入居者に転貸します。

つまり、サブリース会社にとっては、

入居者からいくらの家賃を受け取れるのか

が重要になります。

たとえば、オーナーへの保証賃料が月10万円だったとしても、周辺の同等物件で実際に募集できる家賃が9万円になれば、サブリース会社はその差を無視して契約を続けることが難しくなる場合があります。

ここで重要なのが、

「オーナーへの保証賃料」と「入居者に提示する転貸家賃」は同じものではない

という点です。

この2つを分けて考えると、サブリースの賃料構造がかなり分かりやすくなります。

3.築年数

不動産は時間が経過すれば、基本的に築年数が増えていきます。

新築時には高い家賃で入居者を募集できても、数年後には同じ条件で募集できるとは限りません。

たとえば、

「新築・駅徒歩5分・家賃10万円」

だった物件が、数年後には周辺に新築物件が増え、築年数も経過しているとします。

その場合、入居者を確保するために募集賃料を下げる必要が出てくる可能性があります。

こうした市場環境の変化も、賃料見直しの要素になります。

4.周辺の競合物件

意外と見落としやすいのが、競合物件です。

自分の物件だけを見て、

「この物件なら10万円で貸せるはず」

と考えていても、周辺に、

  • 新築アパート
  • 新築マンション
  • リフォーム済み物件
  • 設備の充実した物件

などが増えれば、入居者から選ばれるために家賃を下げざるを得なくなることがあります。

特に同じような間取りの物件が大量に供給されるエリアでは、競争が激しくなります。

5.入居率や空室期間

サブリース会社にとって、物件を借り上げた後に入居者が決まらなければ、その期間の家賃を負担することになります。

そのため、

「この物件は実際にどれくらいの家賃で、どれくらいの期間で入居者が決まるのか」

という点も重要になります。

周辺に空室が増えていたり、募集してから入居者が決まるまでの期間が長くなっていたりすれば、サブリース会社から賃料について見直しを求められる可能性があります。

6.物件そのものの状態

同じ築年数でも、物件の状態によって入居者からの評価は変わります。

たとえば、

  • エアコン
  • 浴室
  • キッチン
  • インターネット設備
  • オートロック
  • 宅配ボックス

などの設備が競合物件より劣っていれば、家賃を維持することが難しくなる場合があります。

反対に、適切に修繕・設備更新されている物件なら、築年数が経過しても競争力を維持できる可能性があります。


では、保証賃料は「周辺相場の○%」で決まるのか?

サブリースについて調べていると、

「市場家賃の80%」
「85%程度」
「90%程度」

といった数字を目にすることがあります。

しかし、これを**「サブリースの保証賃料は必ず市場家賃の○%」**と考えるのは適切ではありません。

実際の条件は会社や物件、契約内容によって異なります。

しかも、ここで問題になるのが、

「そもそも市場家賃はいくらなのか?」

ということです。

市場家賃が10万円なのか、11万円なのか、9万円なのかによって、そこから算出される保証賃料も変わります。

したがって、

「保証賃料が市場家賃の85%だから安心」

と数字だけを見るのではなく、

「その市場家賃は、何を根拠に設定されているのか?」

まで確認する必要があります。


最初の保証賃料が高く設定されていたら?

ここは、サブリースを考えるうえで非常に重要なポイントです。

たとえば、本来の市場家賃が8万円程度の物件なのに、サブリース契約時には、

「保証賃料10万円で契約できます」

と提示されたとします。

オーナーからすれば、非常に魅力的な条件です。

しかし、その10万円という保証賃料が、長期的に維持できる水準なのかは別問題です。

数年後に市場環境を理由として、

「現在の相場では10万円で貸し出すのは難しい」

「保証賃料を8万円に見直したい」

といった話になれば、当初の収支計画は大きく変わります。

つまり、

「見直し後にいくらになるか」だけではなく、「最初の保証賃料が本当に妥当だったのか」

という視点も必要になります。


「なぜこの金額なのか」をサブリース会社に確認する

賃料の見直しを提示されたとき、

「10%下げます」

と言われただけでは、オーナーとして納得できないかもしれません。

その場合は、少なくとも、

  • 周辺の比較物件はどこなのか
  • それぞれの募集賃料はいくらなのか
  • 自分の物件と条件がどう違うのか
  • 実際の募集状況はどうなっているのか
  • なぜ現在の保証賃料では維持できないのか
  • 契約上、賃料改定の基準はどう定められているのか

など、具体的な説明を求めることが大切です。

ただし、サブリース会社が提示した資料だけで判断するのではなく、オーナー自身でも周辺物件を確認することが重要です。


「募集家賃」と「成約する家賃」は違う

もう一つ注意したいのが、インターネット上で確認できる賃料です。

不動産サイトを見ると、

「この地域では家賃10万円が普通だ」

と思ってしまうことがあります。

しかし、掲載されているのは基本的に募集されている物件の賃料です。

実際にその家賃で契約が成立しているとは限りません。

同じ10万円で募集されていても、

  • すぐに入居者が決まる物件
  • 数か月掲載され続けている物件
  • 最終的に値下げして契約する物件

では、実際の市場価値が異なる可能性があります。

だからこそ、単純に「ネットに掲載されている家賃」だけで判断するのではなく、物件条件や募集状況まで含めて考える必要があります。


保証賃料を判断するときに見るべきなのは「現在」だけではない

サブリースの賃料を考えるとき、

「今、月10万円保証される」

という情報だけを見ると安心できます。

しかし、不動産投資は数年で終わるものではありません。

重要なのは、

5年後、10年後にも、その家賃水準を維持できるのか

ということです。

築年数が増えれば物件の競争力は変化します。

周辺に競合物件が増えるかもしれません。

地域の人口や賃貸需要が変化するかもしれません。

こうした変化を考えず、現在の保証賃料だけでローン返済計画を組むと、将来的に収支が苦しくなる可能性があります。


サブリース会社の提示額だけを「適正賃料」と考えない

サブリース契約では、サブリース会社が賃料を提示することが多いため、

「専門会社が出した数字だから正しいだろう」

と考えてしまいがちです。

しかし、オーナー自身が相場を確認することには意味があります。

複数の会社から賃料査定を取るだけでなく、

「なぜこの金額なのか?」

を比較してみましょう。

会社によって大きく数字が違うなら、その理由を確認することができます。

高い金額を提示した会社だけを見るのではなく、その金額を維持できる根拠があるのかを見ることが重要です。


まとめ 家賃見直しで重要なのは「金額」より「根拠」

サブリースの保証賃料を見直す際には、周辺の賃貸相場だけでなく、

  • 築年数
  • 周辺の競合物件
  • 入居率
  • 空室期間
  • 物件の設備・状態
  • 実際に入居者へ貸し出せる賃料
  • 契約書に定められた賃料改定条件

など、さまざまな要素が関係します。

そして、オーナーが本当に確認したいのは、

「いくら下げるのか」だけではありません。

むしろ重要なのは、

「なぜ、その金額になるのか」

という根拠です。

さらに、現在の保証賃料が高く見える場合には、

「そもそも最初の保証賃料は、長期的に維持できる水準だったのか?」

という視点も持っておきたいところです。

サブリースを検討するときは、提示された保証賃料をそのまま収益計画に入れるのではなく、周辺相場や物件の競争力を自分でも確認し、将来の賃料見直しまで想定しておくことが重要です。

「何年ごとに見直されるのか」だけではなく、「何を基準に見直されるのか」まで理解することで、サブリースの家賃保証がどの程度の安定性を持つものなのかが見えてきます。