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サブリースで家賃が減額されるのはなぜ?

「サブリースなら空室になっても家賃が入ってくる」

このような説明を受けて、不動産投資を検討したことがある人もいるでしょう。

ところが、契約内容を詳しく見ると、

「借上賃料は将来見直される場合があります」

と書かれていることがあります。

そこで、多くの人が疑問に思うはずです。

家賃を保証してくれるのに、なぜ減額されるのでしょうか?

結論からいえば、サブリースの「家賃保証」は、必ずしも契約した金額が契約期間中ずっと固定されることを意味しません。

周辺の賃料相場や経済事情の変化などによって、借上賃料が見直される場合があります。

しかし、ここで話を終わらせると、投資家にとって重要な疑問が一つ残ります。

「では、そもそも契約したときの保証家賃は、本当に妥当だったのか?」

この記事では、サブリースの家賃が減額される仕組みを確認しながら、この疑問まで掘り下げます。


家賃保証なのに減額されるのは矛盾ではないの?

「家賃保証」と聞けば、

「空室でも一定額の家賃が入る」

と考えるのが自然です。

たとえば、月10万円の借上賃料が提示されていれば、

「空室になっても毎月10万円が入る」

というイメージを持つでしょう。

しかし、ここでいう保証は、その10万円が将来にわたって永久に固定されるという意味とは限りません。

国土交通省も、サブリース契約について、契約期間中や契約更新の際に借上賃料が減額される場合があると注意を促しています。

つまり、

「空室でも賃料を受け取れる仕組み」

と、

「賃料そのものが将来も変わらない仕組み」

は分けて考える必要があります。

ここを混同すると、サブリースの収支を大きく見誤る可能性があります。


サブリースの家賃はなぜ見直されるのか?

では、なぜ借上賃料は見直されるのでしょうか。

一般的な理由として考えられるのは、周辺の賃料相場や経済事情などが変化するからです。

たとえば、契約当時は周辺の同程度の物件が月10万円で募集されていたとしても、数年後には、

  • 周辺に競合物件が増えた
  • 地域の人口や入居需要が変化した
  • 建物が築年数を重ねた
  • 周辺の賃料相場が下落した
  • 経済状況が変化した

といった事情によって、同じ家賃では入居者を確保することが難しくなる場合があります。

サブリース会社は物件を借り上げ、それを入居者に転貸します。

そのため、入居者から実際に得られる賃料とオーナーに支払う借上賃料とのバランスが崩れれば、契約上の条件に従って賃料の見直しが問題になります。

ただし、ここで一つ立ち止まって考える必要があります。


「相場が下がったから」だけで考えていいのか?

「周辺相場が下がったから、借上賃料も下げる」

この説明なら、ある程度納得できるかもしれません。

しかし投資家からすると、もう一つ確認したいことがあります。

そもそも、契約時の借上賃料は、その時点の市場で本当に成立する金額だったのでしょうか?

ここは非常に重要なポイントです。

将来10万円から8万円に減額されたとしても、

「10万円だった家賃が、将来の相場下落によって8万円になった」

という見方だけではなく、

「最初から10万円という設定に何らかの無理がなかったのか?」

という視点も持つ必要があります。

もちろん、すべてのサブリース契約について「最初から高い家賃を設定している」と言うことはできません。

物件の立地や築年数、募集条件、市場環境などによって適正賃料は変わります。

だからこそ、投資家自身が確認する必要があります。


「保証家賃」は何を根拠に決められているのか?

不動産投資では、借上賃料が収支シミュレーションに組み込まれていることがあります。

たとえば、

購入価格

ローン返済額

管理費などの経費

借上賃料

毎月の収支

という形です。

ここで、借上賃料が10万円だから投資が成立している物件と、8万円でも十分に成立する物件では、リスクの大きさが違います。

そこで確認したいのが、

「その保証家賃は、何を根拠に設定されたのか?」

ということです。

周辺の実際の募集賃料や成約事例と比較したとき、その金額は妥当なのか。

また、その家賃が下がった場合でもローン返済を含めた収支は成立するのか。

ここまで確認しなければ、「家賃保証があるから安心」という判断だけでは不十分です。


私がサブリース会社で働いていたときに感じた違和感

私は以前、サブリース会社で働いていました。

そのため、一般的な不動産サイトに書かれている「サブリースとは何か」という説明だけでは見えてこない部分についても、現場で考える機会がありました。

そこで感じたのが、

「家賃が将来下がる可能性がある」という説明だけでは、投資家が本当に知りたいことを説明しきれていないのではないか

ということです。

投資家にとって重要なのは、

「将来、家賃が下がるかもしれません」

という話だけではありません。

むしろ、

「では、今提示されている保証家賃はどうやって決まったのか?」

というところまで考えなければ、投資の収益性を判断できないケースがあります。

実際の現場では、一般的にイメージされる「市場賃料から一定割合を差し引いた借上賃料」という単純な話だけでは説明できないケースを見ることもあります。

だからこそ、契約時の数字をそのまま信用するのではなく、その数字の根拠を確認することが重要だと考えています。


家賃が減額されると投資収支はどう変わる?

ここで、単純な数字で考えてみます。

仮に、

  • 借上賃料:月10万円
  • ローン返済など:月9万円

だったとします。

この場合、単純化すると、

10万円 − 9万円 = 1万円

の余裕があります。

ところが、借上賃料が9万円になれば、

9万円 − 9万円 = 0円

になります。

さらに8万円になれば、

8万円 − 9万円 = −1万円

です。

実際の不動産投資では、固定資産税、修繕費、管理費、保険料などさまざまな費用があるため、これほど単純ではありません。

それでも、

「保証家賃が1万円下がっただけ」

と考えるのではなく、

「その1万円の減額によって、投資全体の収支がどう変わるのか」

を見る必要があります。


「○年間家賃固定」なら減額されない?

ここでよく出てくるのが、

「10年間は家賃固定」

という説明です。

これを見ると、

「10年間は絶対に家賃が下がらない」

と思うかもしれません。

しかし、まず確認すべきなのは、何が、どの期間、どの条件で固定されているのかです。

「10年間固定」と、

「35年間ずっと同じ金額が保証される」

は同じ意味ではありません。

たとえば10年間固定された後、5年ごとに賃料を見直す契約であれば、11年目以降の収支については別途考える必要があります。

また、契約書の具体的な条項や法令との関係も確認しなければなりません。

「固定」という言葉だけを見て安心するのではなく、

固定期間が終わった後に何が起こるのか

まで確認することが重要です。


サブリース会社は好きな金額まで家賃を下げられる?

ここまで読むと、

「じゃあ、サブリース会社が好きな金額まで勝手に下げられるの?」

という疑問も出てきます。

これも単純な話ではありません。

サブリース会社から減額を申し入れられたからといって、提示された金額が自動的に確定するとは限りません。

賃料については、契約内容や周辺相場、経済事情などを踏まえて協議が必要になる場合があります。

借地借家法32条との関係もあるため、

「業者が言った金額=必ずその金額になる」

と考えるのも、

「拒否すれば元の家賃が永久に維持される」

と考えるのも適切ではありません。

重要なのは、減額を提示されたときに、その金額が何を根拠としているのかを確認することです。


では、減額を拒否したらどうなる?

ここまで来ると、さらに疑問が生まれます。

「その減額に納得できない場合、拒否したらどうなるの?」

これは「なぜ減額されるのか」という今回のテーマから、一歩先の問題です。

減額の申し入れを受けた場合、

  • 契約書に何と書いてあるのか
  • 減額の根拠は何なのか
  • 周辺相場はいくらなのか
  • 減額後の収支はどうなるのか
  • 合意できなかった場合に契約上どうなるのか

などを確認する必要があります。

そして、契約解除や違約金、法的手続きなどが関係する場合には、個別の契約内容によって結論が変わります。

そのため、「拒否すればいい」「仕方なく受け入れるしかない」と簡単に判断するのではなく、まず契約内容と減額の根拠を確認することが大切です。


サブリースの家賃減額で本当に見るべきところ

ここまでを整理すると、サブリースの家賃が減額される理由は、単純に「サブリース会社が儲からなくなったから」という話だけではありません。

周辺の賃料相場や経済事情などが変化すれば、借上賃料が見直される可能性があります。

そして、投資家にとって重要なのは、

「将来、家賃が下がるか?」

だけではありません。

むしろ確認したいのは、

「現在の保証家賃はいくらなのか?」

「その金額は何を根拠に設定されているのか?」

「周辺相場と比較して妥当なのか?」

「その家賃が下がった場合でも投資は成立するのか?」

ということです。

サブリースを検討するときは、「家賃保証」という言葉だけで安心するのではなく、保証される金額と、その金額が変わる条件まで確認することが重要です。

そして、もし実際に家賃の減額を提示されたのであれば、問題は「なぜ下がるのか」から「その減額をどう判断するのか」に変わります。

そのときは、減額の理由だけでなく、契約内容、周辺相場、減額後の収支を一つずつ確認していく必要があります。

「保証される家賃はいくらか」だけではなく、「その保証家賃がなくても、この投資は成立するのか」。

そこまで考えておくことが、サブリースを利用した不動産投資を判断するうえで重要なのではないでしょうか。