
アリバイ会社で賃貸の入居審査をすると2年後の更新で思わぬ落とし穴がある!

「いらっしゃい、まゆさん。まずは、入居時の経緯から教えていただけますか?」
「はい……。2年前、今のマンションに入るときに、不動産屋さんに『水商売だと審査が厳しいから』って言われて。そこで紹介されたアリバイ会社を使って、本当はラウンジ勤務なんですけど、『事務職』として書類を作ってもらったんです。」
「なるほど。仲介会社からの提案で、実態とは異なる『事務職』という仮面を被って契約を結んだわけですね。その際、アリバイ業者にはいくら支払ったのですか?」
「入居のときに5万円払いました。それで手続きは全部終わったと思って、今日まで普通に住んできたんです。」
「5万円……。それが当初の『仮面』の代金だったというわけだ。そして今、更新時期を目前にして、彼らから新たな連絡が届いたと?」
「そうなんです。いきなりLINEで……。『今月で契約更新ですよね。管理会社から在籍確認の電話がいくかもしれないので、在籍維持の手数料として3万円振り込んでください。確認が取れないと更新拒否されますよ』って。」
「管理会社からの電話を盾に、3万円という追加の『維持費』を要求されている……。そして、彼らはもし支払わなければどうすると言っているのですか?」
「直接は言われてないですけど……もし無視したら、管理会社に『この人は本当はうちで働いてないです』ってバラされるんじゃないかって。そうなったら強制退去になっちゃうと思って、怖くて、誰にも相談できなくて……。」
「……状況はすべて把握しました。
【現状の整理】

まゆさんが直面している問題を客観的に整理すると、以下の3点に集約されます。
ポイント
まゆさんが直面している問題を客観的に整理すると、以下の3点に集約されます。
- 契約の主体: あなたが今、脅しを受けている相手は、部屋を貸している「大家さん」や「管理会社」ではなく、単なる「書類作成代行業者(アリバイ会社)」であること。
- 請求の根拠: 2年前の契約時に合意していない「3万円の在籍維持費」という、後出しの不当な追加請求であること。
- 心理的トラップ: 「バラされたら強制退去になる」というあなたの恐怖心を、彼らは「集金ツール」として利用していること。
この状況を踏まえ、なぜあなたがこの請求を毅然と拒否して良いのか、不動産業界の裏側にある「パワーバランス」を分析していきましょう。
【問題の分析:業者が隠す不都合な真実】
1. アリバイ業者の「バラすぞ」は、自らの息の根を止める『究極の心中ボタン』である

アリバイ会社が管理会社に「あの入居者は偽の勤務先を使っている」と密告することは、実質的に不可能です。 なぜなら、密告した瞬間にそのアリバイ会社は、虚偽の書類で審査を欺いた「不正業者」として管理会社や保証会社のブラックリストに永久登録されるからです。
彼らにとって、一人の入居者から3万円を奪うために、自社の商売道具である「会社名義」を自爆させるメリットなど1ミリもありません。つまり、「バラす」という言葉は、あなたから金を搾り取るためだけの、空っぽの脅し(ブラフ)に過ぎないのです。
2. 管理会社の『冷徹なコスト計算』― 2年住んだ入居者にわざわざ電話をかけるほど彼らは暇ではない

まゆさんが最も恐れている「在籍確認の電話」ですが、実は更新時にそれが行われる確率は極めて低いのが現実です。 管理会社にとって、更新事務は「ルーチンワーク」です。滞りなく家賃を払い、トラブルも起こしていない入居者に対し、わざわざ人件費をかけて「本当にまだここで働いていますか?」と電話をかけ直すインセンティブは彼らにはありません。
アリバイ会社は、この「数パーセントの不安」を最大化してあなたに売りつけているのです。
3. 一度でも払えば『一生終わらないカモ』。嘘の賞味期限を狙ったサブスク搾取の罠

ここで3万円を支払ってしまうと、あなたは業者から「脅せば金を出す優良なカモ」として認定されます。 次の更新時にも、あるいは「管理会社から問い合わせが来た」という嘘の理由で、彼らは何度でもあなたに集金をかけるでしょう。この3万円は安心を買うための代金ではなく、終わりのない「搾取のサブスクリプション」への入会金なのです。
【解決策:影を断つための紳士的な振る舞い】
まゆさん、あなたが取るべき行動は非常にシンプルです。
ポイント
LINEは「優雅に無視」する: 返信をする必要すらありません。彼らには法的手段を訴える根拠など何一つないのですから。
更新書類には「以前と同じ情報」を: 管理会社から届いた書類には、入居時と同じ勤務先情報を淡々と記入して返送してください。それで手続きは完了します。
「転職」という万能の盾: 万が一、管理会社から何か聞かれるようなことがあっても(その確率は極めて低いですが)、「最近転職しまして、今は別の仕事をしています」と事後報告で片付ける。これがこの業界の「大人の作法」です。
3万円あれば、もっと有意義なことに使いなさい。 実体のない影に怯える夜は、今日で終わりにしましょう。