仲介手数料の割引合戦
もし、他の不動産屋で紹介された物件で気に入った資料を当店にお持ちください。
その不動産屋より仲介手数料を割引します。
街を歩いていてふと目にした不動産屋の張り紙です。
しかも、誰でも知っている不動産仲介のチェーン店です。これって認められるのでしょうか?
仲介手数料でお客様を釣ること
仲介手数料というお客様から頂ける報酬は常識的に考えて物件の紹介する手間物件を案内する手間契約までの窓口となる手間契約契約後のアフターフォローなどをすることの対価と考えるべきです。
本来であるならばです。
つまり、物件を紹介する手間と案内する手間が抜けてしまっているということ逆にいえばそれ以外の大部分はいくら手抜きをしても業務をしなくてはいけません。
不動産屋の言い分
でも、実際に仲介手数料が1か月分の不動産屋と無料の不動産屋であれば無料を選びますよね。
1か月って大きいですからね。
お客様には選ぶ権利があるわけです。
わざわざ高い仲介手数料で契約したくありませんからね。
それに仲介手数料の説明を物件紹介されるときに説明されたり分かるようにはなっているとしてもそれより仲介手数料が安くなるなんて思わないです。
つまり、選択する前に情報が与えられていないんですね。
後出しじゃんけん
もし、ある不動産屋のA物件の仲介手数料が1か月だとして、そのチラシをみた不動産屋はそれよりも安くすればお客様の気持ちをつかむことは可能です。
後出しじゃんけんの方が得な訳です。
絶対的に有利なわけです。
不動産屋がどんなに接客がすばらしく物件を色々探しても、仲介手数料が高いか安いか一点で申込をする不動産屋が変わるなんだか悲しいですけれどそれを防ぐことはできないようです。
ただ不動産屋がこのような手法でガンガンやるとモラルという面ではあまり好ましくありません。
ついには、物件紹介をせず案内もしないけれども仲介手数料だけは他より1円でも安く行うなんていう不動産屋が出てきてしまったら大変です。
他の業界ではよくある
不動産業界であればこのようなプロセスが他の業界よりも目に見えてしまうので露骨に感じるかもしれませんが、他の業界ではこのようなお客様の心理行動は当然なことで、価格競争が働いているのはむしろ当たり前なのです。これが手数料という名のもとであると何の対価かということになりますが、商品の価格であっても全ての項目の対価ですから、お客様からしたらどちらも同じようなものにしか思えないでしょう。
不動産屋は顧客管理が大切
仲介手数料が原因で他の不動産屋に申込されてしまったとうのは黙って指をくわえてみている不動産屋も問題があるかもしれません。
きちんとお客さんと連絡を密にとり動きをきちんと把握していない原因もあるのです。
ただ、仲介手数料を減額するというのも社員の一存でできないことがあります。最終的には不動産屋の問題ということです。
なので、今不動産屋は仲介手数料を極限まで下げて競争を強いられているのです。
露骨な申込の変更はトラブル
仲介手数料で申込をする不動産屋を選ぶこれもお客様の選択肢の1つとして重要なポイントであることは否定できないことだと思います。
しかし、1度申込をした物件を単にその理由だけで変更することはトラブルのもとになる原因となりますので注意したほうがいいです。
①管理会社に申込情報が渡ってしまう
➁不動産屋が不審に思う
主にこの2点ですが、一旦申込をして審査中の物件を他の不動産屋の申込に差し替える手間を考えると断られることがあったり、それで審査が通らなくなる可能性もあります。
また、不動産屋は申込をした物件をキャンセルするとお客様の説明によっては不審がられて『あれ、違う不動産屋に抜かれた?』ということになります。
お客さんには直接言わなくても管理会社に問い合わせたり、色々トラブルの原因になる可能性があります。
このあたりの交通整理をきちんとできる不動産屋に頼まないと後悔する結果になることもあります。
お部屋探しの変化
お部屋探しの仕方が変わると仲介手数料は今までの意味合いと少し変わってくると思います。
つまり、物件の選定をネットでお客さんがほとんど行う。
➡不動産屋の手間や役割の軽減
動画や写真などで物件を検討
➡不動産屋の手間や役割の軽減
ネットで契約手続きが完了する
➡不動産屋の手間や役割の軽減
ここまでお部屋探しが完全に変わるともはや仲介手数料はお客様から頂きづらくなりますし、ますます、仲介手数料を支払いたくなくなりますよね。
不動産仲介業界にとってはいかにお客様にお部屋探しの価値を与えるということがこれからの生き残りのカギとなりそうですし、今までのやり方で変わらない不動産屋はどんどん淘汰されるでしょうね。