部屋探し

賃貸の仲介手数料が不動産屋や物件によってなぜ違うのか?そのカラクリを解説します。

仲介手数料に違いがある?

お部屋探しをしていると、よく仲介手数料という言葉を目にします。

そしてその仲介手数料が、無料とか半額といった店頭の看板や物件のチラシ広告に気付いた方も多いでしょう。

でも、仲介手数料って、不動産屋の報酬ですから大事な収入源のはずですよね。

それを、 簡単に安くすることがなぜできるのでしょうか?

また、仲介手数料を安くできるのは、不動産屋による違い?それとも物件による違い?どちらなのでしょうか?

お部屋探しにかか るコストを少しでも抑えたい方にとっては知っておいたほうがいい情報です。では詳しく見ていきましょう。

仲介手数料は貸主有利

そもそも、仲介手数料不要の物件があります。

それは、紹介してもらった不動産屋が物件の貸主だったという場合です。

この場合は、不動産屋とはいえ、単に、貸主が、直接借主となる人を探している行為ですから、仲介手数料という概念がありません。

これは他の記事でも紹介しましたのでそちらをご覧ください。

しかし、貸主が自ら賃貸募集をしている物件に出会うことは実際少ないと言っていいと思います。

逆にお部屋探しで出会うほとんどが、媒介(仲介)物件であるのです。

つまり、借り手を探してもらいたい貸主と物件を探してもらいたい借主の間に立って不動産屋が物件を仲介して紹介するのです。

このような場合、その不動産屋は仲介手数料をもらうことを認められています。

そして、仲介業者がもらえる最大の仲介手数料は家賃の1か月分であり、その負担割合は貸主が半月分、そして借主が半月分となっています。

その負担割合を変更する場合には承諾を得ればよいことになっています。(※ 居住用建物の賃借の媒介)しかし、現実はどうでしょうか。

この負担割合は貸主や不動産屋が決めていることがほとんどで、承諾をもらうと言うより、その負担割合の承諾ができないと物件を紹介することはできないのです。

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物件によって仲介手数料が違うのか?

さて、本題に入ります。仲介手数料を無料にしたり、安くするにはいくつかの理由があります。

その理由があるから、不動産屋や物件によって仲介手数料が違うといえます。

一体どのようなことがおこると仲介手数料に差が生じるのか?次のようなことが考えられます。

①仲介手数料の貸主負担を変える交渉

仲介手数料は借主が1か月負担であることが暗黙の了解になってしまっていたものを、原則通り半月分、もしくは借主の負担をなくして貸主の負担にしたと思われます。

貸主に1か月分負担させる場合も承諾が必要です。

募集前に承諾を得ていることが考えられます。

②仲介手数料をとらない代わりに広告料

不動産の仲介業者は、仲介手数料を安くした分の補てんができればいいのです。

それが、広告料です。

仲介業者はこの広告料を貸主に交渉して、仮に仲介手数料を値引しなくてはいけない状況でも対応できるような最低限の収入の確保をしています。

この交渉がうまくいけば、募集営業の幅がでてきます。

仲介手数料が無料の場合はこのケースが多いです。

③空室が埋まればOKという観点

仲介会社がグループ会社の管理会社から募集依頼をされて仲介の元付となっていることあります。

その場合、もしその管理会社が貸主の立場で所有者と家賃保証契約をしていたりすると空室が長期化すれば賃料を所有者に払い続けなくてはなりません。

そこで、仲介料を無料にして空室が埋まるならばその選択をするほうが、結果的にいいことがあります。

そして、その管理会社(貸主)は、仲介会社に売り上げを立てるために広告料を支払えばいいわけです。

④最低限の利益確保、または損切

仲介業者は、賃貸契約の成約をしない限りは仲介手数料がもらえません。

仲介業者の中には他社の仲介手数料と競争し、1か月のところを半月としていることもあります。

お客様に他で契約されるよりかはマシといったケースかもしれません。

不動産屋による貸主との交渉や企業努力

上記①から④に当てはまるかそれに準じた状況にならないと基本的には仲介手数料は安くならないということです。

あとはライバル不動産屋との消耗戦ということですね。

このように、仲介手数料が無料になったり、半月分にするために事前の交渉が不動産屋には必要なのです。

そのようにならないように、自社物件の整備と他社の物件で仲介手数料が無料や半月分にできる物件の不動産屋をリストアップしておき、お客様に備えているのです。

特に管理物件が少ない営業に特化した仲介業者は競争力を備えるためにこのあたりは熱心です。

仲介手数料を安くするタイミングとして、最初から『仲介手数料無料』としているところもありますし、お客様への営業の流れからというところもあるでしょう。

仲介手数料の安い物件

仲介手数料が安くなる理由を挙げてみましたがいかがでしょうか。

大切なのはいかにお部屋探しに生かすかということです。

お部屋というより、仲介手数料を含めた初期費用を抑えたい人もいるはずです。

その場合のちょっとしたコツをお教えします。

仲介手数料無料の不動産屋

まず、仲介手数料の安い物件を紹介してもらうには、最初にその旨を伝えるか、仲介手数料無料の不動産屋にいくことです。

当たり前のようですが、これ重要です。

つまり、仲介手数料無料にできる準備をしていますよというメッセージだからです。

逆に仲介手数料について全く触れられていなければおそらく1か月分の物件がほとんどだと思われます。

不動産屋が 仲介手数料に対して意識があるということがわかるので、話がしやすいということになるからです。

準備をしていない不動産屋に仲介手数料の交渉をしてもほとんどの場合難しいと思います。

結構、綿密に利益確保をしたうえでの募集ですので、手数料関係の交渉は募集前でないと厳しいです。

なぜなら、貸主に負担を求めるかその不動産屋の報酬が少なくなるということになるからです。

営業マンとしても不動産屋としてもできるだけ利益率の高い物件を紹介するようにお客さんに営業をしています。

仮にお客様から仲介手数料をとらなくても、貸主にその補てんをしてもらえる物件でないと同じ1契約でも売り上げが変わってきてしまうからです。

仲介手数料が安くなりやすい状況

仲介手数料は、空室が長く続いている物件も安くなりやすいと言えますが、繁忙期(2月、3月、9月、10月)においても不動産屋が営業に 力を入れるため、キャンペーンをすることが多いです。

普段仲介手数料を安くしない不動産屋もこの時期は安くする傾向にあります。

その他、仲介手数料を負けてもらいやすい空室が長期化した物件を狙うのも手です。

しかし、このような状況になっていれば最初から手数料がいつもより下げられていることが多いです。

というのも、空室を埋める対策に

①家賃を下げる
②貸主の負担を上げて借主の負担を下げる

という思考が自然に不動産屋にあるからです。

もし、安くなっていない物件でも貸主に交渉しやすいといえます。

できるだけ貸主に近い不動産屋

例えば、心理的に貸主が直接募集を依頼している不動産屋で探すほうが、仲介手数料やその他の交渉がうまくいく確率が高いです。

他の不動産屋が連れてきた客より自分のところに来てくれた客の方が一生懸命交渉してくれるのです。

つまり客付業者の客は、客付け業者の利益を確保した上で手数料値引しなくてはなりませんが、貸主から直接依頼を受けた業者は、その客付け業者に取られる手数料分余裕があるからです。

ただ、物件によって見極めることが難しいとは思いますので、これもお部屋を探してもらうときに仲介手数料が安い物件と伝えたほうが不動産屋としてもわかりやすいと思います。

仲介手数料を安くするしわ寄せ

結論として仲介手数料を減額できるのは

?単に仲介手数料の報酬分を減らしている
?貸主にその負担を担ってもらっている

ということです。でも、不動産屋としては仲介手数料と広告料をもらいたいのが本音です。

ところがある意味、仲介手数料を原則通り戻すことにより競争が生じてくるという皮肉な結果になっています。

このような競争になると、貸主と直接交渉できる物件を多数管理する不動産屋はより有利に営業展開できるのは事実です。

逆に、仲介手数料のみを頼りにしている不動産屋はいかに貸主から引き出せるかがカギとなっており、交渉やその情報力を常にフル稼働することでお客様の集客を得ているのです。

今後、賃貸市場においても仲介手数料が半額以下が当たり前のようになると、それらで差別化を図ってきた不動産屋はより生き残りに大変になるのではないでしょうか。

いずれにしても消費者側にしてみれば好ましい傾向なのかもしれませんね。

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